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電気もつけず

 

side:受

 

恋人から「帰りは夜中になるから先に寝てて」と電話があった。

寝ようとベッドへ入り、電気も消して目を閉じても睡魔は一向に訪れない。

心臓がドキドキして寝付けないのだ。

遠足前の子供でもあるまいし。自分は既に高校生だ。

それでも、興奮してるのか目は冴え切ってる。

待っているわけでも、寝ているわけでもない自分が、中途半端な気がしてならない。

(電気でも付けようかな)

そう思うものの、恋人が電気を付けて起きていたら――。

あの恋人のことだ、きっと心配させてしまう。

帰る途中で電気の光を見て急がせてしまうかもしれない。

それは申し訳ないように思うのだ。

ならば、いっそ。

このまま、電気も付けず、ただ待ってみるのもいいかもしれない。